「金の斧 銀の斧」という物語はイソップ物語のひとつです。
今は「金の斧 銀の斧」というタイトルが一般的ですが、もともとは「金の斧」だけだったそうです。
お話は短編なので、幼い子供の読み聞かせにも適していることから、かなり幅広い世代に知られている童話です。
さて、この「金の斧 銀の斧」というお話は、正直者には良いことがあるという教訓を子供に教えるのに適していると思われていますよね。
それはもちろん間違いないのですが、それだけなの?という疑問を感じたので、このお話について深掘りしてみました。
「金の斧 銀の斧」のあらすじ
森の中で木を切る仕事をするきこりの男。
働き者で真面目で正直者の男です。
今日も森でカーンカーンと斧で木を切っていました。
「あっ!」ときこりが声を上げると、手から斧が飛んで森の泉にポチャーンと落ちてしまいました。
斧がなければ仕事ができないので、きこりは困ってしまいました。
すると、泉の中から美しい女神さまがあらわれたのです。
女神さまは右手に金の斧、左手には銀の斧をもっています。
そして女神さまはきこりの問いかけます。
「あなたが落としたのがは金の斧ですか、それとも銀の斧ですか」と。
きこりは「いいえ、違います。私が落としたのは鉄の斧です」と答えました。
女神さまはきこりの答えを聞いて微笑みます。
「あなたはとても正直な人ですね。この斧をすべてあげましょう」と言って、金銀鉄の3本の斧を渡して泉の中に戻っていきました。
きこりはありがたく3本の斧をもって帰りました。
その一部始終を隠れて見ていた男がいました。
この男はその様子を見て、自分も金と銀の斧が欲しくなりました。
そこでボロボロに錆びた鉄の斧を持ってきて、泉に投げ入れました。
すると泉から女神さまがあらわれます。
「あなたが落としたのは金の斧ですか」と言った瞬間に「はいそうです、金の斧です」と答えました。
女神さまは悲しそうに「あなたは嘘をつきましたね。斧は渡しません」と言って泉に消えていきました。
欲張りな男は悔しがりましたが、もう女神さまはあらわれませんでした。
「金の斧 銀の斧」の教訓
あらすじを見る限り、このお話が伝える教訓は「正直者には幸運があり、嘘つきには幸運はない」というのがわかりやすいことですよね。
この教訓のほかに、もっと深いところを考えてみましょう。
欲が悪なのか
「金の斧 銀の斧」では、正直なきこりと女神さまとのやり取りを見ていた男が悪者として描かれています。
しかし、誰でも欲はあります。
鉄の斧を落としたのに、金銀の斧を手に入れた様子を見れば、自分も欲しくなるのは自然なことではないでしょうか。
このお話では、欲があることも悪のように受け取れらがちですが、欲ではなく嘘がいけないというのがポイントではないでしょうか。
人は試されている
「金の斧 銀の斧」では、女神さまは2人の男に対して同じように問いかけます。
「あなたが落としたのは金の斧ですか?」
「それとも銀の斧ですか?」と。
この問いかけに対して、正直に答えた人と嘘で答えた人の結果は大きな違いがあります。
しかし、なぜ女神さまはわざわざ金と銀の斧を見せて問いかけるのでしょう。
これが不思議ですが、ここにも深い教訓があるのではないかと考察します。
それは、人はいつも試されているから、正直に生きなければいけないという教訓です。
人が見てないところでは、ついルールを破ったり、バレなければいいと思って嘘でごまかしたくなることがあります。
しかしそれは、試されていると思って立ち止まり、正しく生きましょうという・・。
考えすぎてしょうか。
まとめ
「金の斧 銀の斧」という童話は、とても短くてシンプルなので、子供に正直であることの大切さを伝えるのには適していると思います。
大人はもう少し深いところを考えてみると、人生の教訓が見えてくるのではないでしょうか。

